ホワイトデースペシャル短編
機動武闘伝Gガンダム
 いけ!いけ!ぼくらのシャイニングボール!!



 注意!
  この作品の大元ネタは『機動武闘伝Gガンダム』ですが、元にしたネタはそのパロディーである「いけ!いけ!ぼくらのシャイニングアッガイ!!」(ことぶきつかさ著のコミック『いけ!いけ!ぼくらのVガンダム!!』の中の短編)のアフターであります。
  そのため、「いけ!いけ!ぼくらのシャイニングアッガイ!!」を知らないとつまらないかもしれません。
  と言っても十五年以上前の作品なので本屋では手に入らないかも知れません。
  探す場合は個人的には古本屋をお勧めします。




  これはあるガンダムファイターとその専属メカニックによる、あるファイトの直前のやりとりである……。

  「ドモン、これ……」
  「これはチョコレート?」
  「そう」
  「……そうか、今日はバレンタインデーか。義理チョコ有難うレイン」
  「………………うん……」
  ドモンの返事に微妙な間を空けるレイン。
  気付けよ!

  そして二人は今日の『アッガイファイト』に向けて準備をしていった……。


  ここから「いけ!いけ!ぼくらのシャイニングアッガイ!!」を知らない人のためのストーリー説明になります(というかマンガそのままです)。


  『情け無い! 情け無いぞ、ドモン! 貴様は一度『アッガイファイト』からやり直してこい!』
  余りのふがいなさにシュバルツ・ブルーダーから格下げを言い渡されるドモン・カッシュ。
  それは新たな恐怖への序章でしかなかった……。


  「エリートコース一直線だった俺がアッガイファイトをやる事になるとはな! しかし負けるわけにはいかん!
 シャァァァイニング・アッガァァァァァァァイ!!」
  「待っていたぜ、ジャパニーズ!」
  そこに現れたのはアメリカンカラーのアッガイ。その名もアッガイマックスター。
  「チボデー! 貴様も格下げかあ!?」
 「うるせぇ! 行くぜアッガイファイトぉ!」
  「レディー!」

 「「ゴォォォォォォォォッ!!」」
  しかしそれはガンダムファイトと比べて余りにも低レベルな戦いだった。
  そしてシャイニングアッガイとアッガイマックスターの戦闘を見ていたレインから通信が入る。
  「ねぇドモン……」
  「何だ、レイン!?」
  「なんか……
 超ダサー」
  二人の元ガンダムファイターの耳に飛び込む哀れな一言。
  そしてキレるドモン。
  「んなこたぁ……、言われんでも……、
 判ってらぁぁぁぁぁぁぁっ!!」(血涙)
  その直後、シャイニングアッガイの各部が割れ、シャイニングガンダムスーパーモードのような光が漏れ出す!
  「おお! あれはまさしくシャイニングアッガイスーパーモード!」
  遠くから見ていたシュバルツが目を見張る。
  そして……。
  そのスーパーモードの一撃がレインに突き刺さった(笑)。
  「「「「「きゃぁぁぁぁっ!? レイーン!?」」」」」
  慌てふためくチボデーガールズ。
  「どうだ! これが俺の力だぁぁぁぁぁぁっ!!」
  すでに目的を見失っているのかファイトを忘れて盛り上がるドモン。
  それを遠くから見ているシュバルツ。
  「ふむ……。どうにか目的は達したか。では次は『ボールファイト』でもやらせてみるか」
  ちなみに『シャイニングボール』にはスーパーモードはなかったりする(笑)。


  と、ここまでが「いけ!いけ!ぼくらのシャイニングアッガイ!!」になります。
  では、「いけ!いけ!ぼくらのシャイニングボール!!」本編をどうぞ(笑)。


  それからおよそ一ヵ月後……。
  「サイ・サイシー! お前も格下げかぁ!?」
  「ドモンの兄貴だってそうじゃないか!」
  対峙するシャイニングボールとドラゴンボール(笑)。
  「まあいい! とっととお前を倒してガンダムファイトに返り咲くだけだ!」
  「こっちだってそのつもりだよ! 行くぜ兄貴! ボールファイトぉぉぉぉっ!」
  「レディー!」
 「「ゴォォォォォォォォッ!!」」
  ぶつかり合う二機のボール。

  基本的に格闘向きの機体ではないので、もっぱら機銃を使うなどにとどまっていた。
  それに業を煮やすドモンは(基本的に射撃は下手である)、ついに己のボールの頭部のキャノン砲を引っぺがす!
  「何を!?」
  数少ない武器を無理矢理引っぺがすドモンに驚くサイ・サイシー。
  それを正眼に構えて気合を込めるドモン。
  「喰らえ! 意地と、怒りと、八つ当たりのぉぉぉぉぉぉっ!」
  「最後の一つはなんなんだよぉぉぉぉぉぉぉっ!?」
  サイ・サイシーのツッコミももっともである(笑)
  構えたキャノン砲を振り回すシャイニングボール。
  「小手ぇぇぇぇっ! 面っっっっ!」
  ドラゴンボールの腕が折れ、正面装甲が凹む。そして……。
 「胴ぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

  すかっ!


  そう! ボールに『胴』は無いのだった!(気づけよ!!)
  しかし、満身創痍になっているドラゴンボールに反撃のすべはなかった。
  結局、戦闘不能となりドモンのシャイニングボールの勝利が決定した。

  「ふっ……。俺の勝ちだな、サイ・サイシー」
  勝ち誇るドモンの機体に通信が入る。
 「ド〜モ〜ン」
  そのおどろおどろしい声にいきなり姿勢を正すドモン。
  「はい!? 何でしょうか!?」
  「今日が何の日か、忘れてないわよねぇ〜?」
  「きょ、今日でありますか!?」
  通信の相手は全身に包帯を巻いた痛々しい姿のレインだった。(生きてたんだ(驚))
  「え、え〜と〜……」
  ……考えるドモンだが恐怖のほうが先に立ち、思考は空回りする。
  五分以上経ってようやくレインが今日がいつかを教える。
  「チョコのお返しはないのかしらね〜? ついでにこんな目にあわせておいて……」
  一ヶ月前のアッガイファイトのときにドモンに負わされた傷が癒えていないレインはたいそう機嫌が悪かった。
  しかもホワイトデーまで忘れられているのである。
  「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
  平謝りに謝るドモン。コメツキバッタか筋肉番付の腕立て伏せかと言うような速さで土下座していた。
  ホワイトデー以前にレインの怪我の事も完璧に忘れていたのだった……。
  レインの機嫌が直らないことにはシャイニングガンダムの整備をしてもらえず、自身の命にも関わる事なので結構死活問題だったりする(笑)。

  結局、その日はホワイトデーと言う事で、血も涙も無いほどの買い物につき合わされたドモン。
  勿論、すべての料金はドモン持ちである。
  家に帰りついたとき、色々な意味でぼろぼろになっていたドモンであった……。


  教訓:ホワイトデーは忘れずに。特に怒らせてしまったときは財布の中が空になる事を覚悟しておきましょう。




あとがき

  ども、喜竹夏道です。
  ホワイトデーネタを考えていたら「戦場の絆」でアッガイで戦っている最中に電波が降りてきて一気に書き上げました。
  でも十五年くらい前に見た本の内容なので、細かいセリフ等間違えているかも知れません。
  これって三次小説になるのかなぁ。
  だとするとことぶきつかさ先生に一言入れておいたほうがいいかなぁ?
  でもWikiのシャイニングガンダムの項目の下のほうにシャイニングアッガイの事も書いてあったし……。
  う〜む……。
  で、まあ、出したかったのはサイ・サイシーの「ドラゴンボール」だったりします(笑)。
  つーか、このためだけに書きました。
  七機集めると願いがかなったりするのかなぁ……。
  「ギャルのパンティーをくれぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
  てな感じで(笑)。
  しかしマンガを小説で描写するのは難しい……。

  あ、ちなみに私はホワイトデーはちゃんと返してます。
  でも今回のチョコは高級品が多かったので、同額以上を返そうとすると結構きつい……。特に財布の中身が「絆」のやりすぎで。
  皆さんも『三倍返し』なんて言われている人はきちんと小遣い残しておきましょう。




↓押して頂けると作者の励みになりますm(__)m

喜竹夏道さんへの感想は掲示板へ♪